僕とあの子の放課後勝負

竹宮千鶴と水野翔。彼らは三年三組で、僕らが一組。雨月さんは二組だ。竹宮さんは小学校の頃から絵が上手で、何度も展覧会に作品を展示している。彼女がこの中高一貫の学校に入ったのは、親の勧めらしい。水野君は、よくわからない。よく、ぼうっとしていて、不思議な感じがする。
彼らは僕と同じ美術部で、部では周りよりも僕と少し仲の良いグループ、だと思う。僕は彼らと居ると心地良いし、彼らもきっと、僕が居ることを許してくれている。

午後の授業には、全くと言って良い程、身が入らなかった。数学のノートには今日買うもののリストと、数学教師の似顔絵の落書き。その横に「似ない」とがさつな文字が書いてある。

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