彼方ニ、跳ネル。
膝を抱えてうずくまる私に、ピョン吉が寄ってきて一吠えした。
まるで私に活を入れるみたいに。
「…私、訳がわからないんです。突然竜巻で飛ばされてしまって、だから色々教えて下さい。」
「失礼。私は良い魔女の西澤。死んだのは悪い魔女の伊東。それと後ろの彼らは私の下僕…ゴホッ失礼、私の舎弟達です。」
私は別に現文が得意な訳でもないけど、とりあえず下僕と舎弟に大した違いがない事はわかる。
「そして此処はオ○゛の国。魔法使いのいる国です。」
あえて其処は伏せ字なのか…分かりきってんのに…
「何をおっしゃる。オダの国かも知れないしオギの国かもしれないでしょう。」
「何で微妙に人名?」
しかし、やっぱりオズの魔法使いだ。
きっと、この流れで行くと私はエメラルドの都に向かったり仲間を増やしたりもう一人悪い魔女を倒したりしないといけないに違いない。
きっとピョン吉はトト役なんだ…。
「そういう訳です。」
ああ、しかも説明はしょられた…。
何で私の心のセリフ読んでるんだよオイ…
「きな子、実際私たちは悪い魔女の悪行に困っているんです。それにきな子だって帰る方法が必要でしょう」
「なんか早急に物語を進めようとしてますよね…」
「悪い魔女を倒せば、オ○゛はきっとあなたの願いを叶えますよ。」
「あの、ちょっと整理してもいい?悪い魔女は誰で良い魔女は誰なんだっけ?」
「それは書き手が理解出来てないから今は聞かないで。」
大丈夫ですかこの物語。