彼方ニ、跳ネル。
しばらく歩いていると、煉瓦の道は二股に分かれて別々の方向に伸びていた。
どちらも道の先は果てしな過ぎて見えない。
「どっちなんだ?」
「分かんない…黄色い煉瓦道を真っ直ぐ進めばいいだけと思ってた」
いざとなったら人に聞けばいいと考えていたものの、全く人気がない。
ただ虚しく鳥の声がするだけだ。
「あの鳥に聞いてきてよピョン吉」
「は?馬鹿かお前。鳥と会話できる訳ないだろうが馬鹿かお前。」
「……私、今犬と会話してるんだけど」
二回もバカって言わなくたっていいじゃない……
「じゃあ何か臭いとかで分かんないの?犬なら!」
「臭いねえ………ん?」
ピョン吉が急に険しい(ような気がする)顔付きになり、威嚇するような姿勢で鼻を利かせる。
「…何か茂みにいやがるな。」
「え、鳥じゃなくて?」
「分からんが――」
ガサ。
茂みで何かが動いたのを、きな子もしっかり確認できた。