彼方ニ、跳ネル。


「と言うわけで、不本意だけど俺も着いてくから」

「え、あの、ライオンさん…?」
って呼ぶのもおかしい気がするが。

「そんなんでいいの?多分これから結構大変だと思うんだけど……そんなゆるっとした理由でいいの?」

「だって仲間に入らないとストーリーが進まないだろ?

あ、なんかデジャヴを感じた今。

一緒に来てくれることは凄く有り難い。
きっとこの世界にも詳しいんだろうし、悪い人(ライオン)ではないだろうし、けど。

困ったことに、きな子はド級の人見知りなので男の子と一緒に歩いた経験はほぼ皆無だった。

「……お前、一応俺が雄だと分かってるよな?」

「ピョン吉は昔から知ってるもん。今更照れはないよ」

「ああそう……」

ピョン吉は不服そうにそっぽを向いた。
でも、ここは喜んでくれていいところじゃあなかろうか。


「ライオンさん自身は……迷惑じゃない?」

「まあ面倒っちゃあ面倒だけど、俺の存在意義がかかってるから」

重!

ライオンらしい猫目は真剣で、なんだか断るのは可哀想に感じた。

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