彼方ニ、跳ネル。
開いた扉の向こう側にいたのは、学芸会の衣装みたいな変な格好の人々数名。
青い、魔女みたいな服…。
えぇーイタいな…コスプレ…?
実はオタク界に片足突っ込んでいる私だが、その格好にピンと来るものはない。
「グラッチェ!グラッチェェ!!サンクスオンナノコー!!」
…三つくらいの言語が混ざっている気がする。
グラッチェって何だっけ?
なんかCMで聞いた事あるな…
返事も忘れてぐるぐる考えていると、一人の女の人が私に近づいてきた。
その人の服装は他の人たちよりごてごてしている。
リーダー格…というかこの布陣に、それとなく覚えがあるような。
「ありがとう女の子!あなたは悪い魔女を倒してくれt」
バタン!!!
女の人が最後まで言い終わる前に私はドアを閉めた。
なんだ今のは。
まんまオズのノリじゃないか。
…………。
……疲れてんのかなっ。
あの人たちはきっとアレだ、幻覚!
最近問題集とノートばっかり見てるもんね。目がイカれたに違いない!
あの言葉だって幻聴だよ、嫌いなリスニング音声の聞きすぎてとうとう拒絶反応が出たんだ!
きっとそう、うん!
「…お前…、本当にそんなんだと思ってんのか?」
「う、うるさいな!未知なるものに恐怖と拒絶をするのは人間として当然の心理だもん仕方ないの!!」
「そのわりに竜巻は受け入れたよな。」
「そりゃピョン吉が―……」