ふたりごと
Prologue. 手紙
遥へ。
突然、手紙なんて送りつけてごめん。
メールにしようかとも思ったけれど、きちんと自分の字で伝えなければ誠意を見せられないと思ったから、手紙にしました。
2人で過ごした5年は、たぶんお互いにかけがえのない日々だったと思う。
俺はたしかに、君と一生を共に生きていきたいとつねに考えていた。
君も同じ気持ちでいてくれていると信じていた。
つらい仕事も、生活のためというよりは、君のために働いていたようなものだった。
疲れて家に帰っても、君が作ったご飯を食べれば元気が出たし、君の笑顔を見られれば疲れも吹き飛んだ。
君を絶対に幸せにしたいと思ったのは、嘘じゃない。
君が俺のために尽くしてくれていたことは、俺が1番よく分かっていたはずなのに。
本当に本当にごめん。
ごめん、なんて簡単な言葉では片付けられないことは十分承知の上だ。
でも今の俺には、謝ることしか思い浮かばないんだ。
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