ふたりごと
大学時代の友達は、みんなこのことを知ってしまったのだろうか。
サークルやゼミで一緒に頑張った仲間たちは、人数もそこそこ多いし、全員が知っているということはないかもしれないが、それでも少し気まずい。
『あのね、遥…来月みんなで久しぶりに集まろうかって話になってるの。遥は、どうする?』
澄子のためらいがちな声。
来る?来ない?
元彼がいても平気?
そう聞かれているのは、重々分かっていた。
「少し考えてもいい?」
すぐには決められなくて、答えを渋る。
でも、私がそう答えるのを予測していたのか、澄子は間髪入れずに『もちろん』と言ってくれた。
「ありがとう。また連絡する」
電話を切ったあと、いったん起こしたはずの自分の体を、もう一度ベッドへ倒す。
眠いわけではない。
でも、何も考えたくなかった。
いつかはこうして何らかの場面で、和仁との話を知られるのは分かってはいたけれど…
和仁に会うのはつらい。
たけどこのままじゃ、私はずっと先に進めないんじゃないだろうか。