ふたりごと
待ち合わせをしているカフェに到着した私がガラス越しに店内をうかがうと、すでに松崎くんが待っているのが見えた。
すぐに彼も私に気がついて、小さく手を振ってくれた。
急いでお店に入ると、彼の元まで向かった。
「ごめんなさい、遅くなっちゃって」
開口一番、遅くなったことを謝ると、松崎くんは
「俺もさっき来たところですから、大丈夫ですよ」
と微笑んだ。
1ヶ月ぶりに会うからか、いつもより少し緊張しているようにも見えた。
そういう私だってそれなりに緊張はしているけれど、その緊張感が心地よかった。