ふたりごと
どうしてこのタイミングで和仁が夢に出てきたのだろうか。
やっぱり…
やっぱり私の心の弱さが原因かな。
松崎くんという大学生がなんとなく好意を抱いてくれている思いが、私を迷わせているのかもしれない。
私はバカだな。
バカで単純。
寂しさを誰かで紛らわせることなんて、それ以上の虚しさはない。
時計を見ると、まだ朝の5時だった。
私は起きる決意をしてベッドを抜け出す。
顔を洗おうと洗面所に立ち、鏡に映る自分を見て再び涙が出た。
ひどい顔。
疲れ切っていて、余裕のない顔だった。
こんな姿、和仁が見たらどう思うだろうか。
すぐに顔を洗って気持ちを切り換え、洗面所をあとにした。