ふたりごと
平日は朝早く起きて会社へ行き、仕事をして帰って夜遅くに寝る。
土日の休日は、たまっていた洗濯を片付けて部屋の掃除をし、外出はしない。
友達からの誘いがあっても、体調がよくないからと断っていた。
こんな毎日を過ごしながら一生を終えるとしたら、きっと誰かが「もったいない」と言うかもしれない。
松崎くんは和仁のことを「忘れない方がいい」と言っていたけれど、それで私が前に進めるとは思えなかった。
よく晴れた日曜日。
お昼頃に、私の携帯が鳴った。
携帯には『松崎昭治』の文字が表示されている。
私と彼は携帯の番号は交換したが、メールアドレスは知らない。
連絡手段というと電話しかないのだ。
少し迷ったあと、私は電話に出ることにして携帯を手に取った。