ふたりごと
ギンガムチェックのブラウスにデニムを合わせて、会社に行くよりもラフなスタイルで外へ出かけた。
そんなに気合いを入れる必要はないし、肩肘を張るつもりもない。
今日、松崎くんと会うことが正しいのかどうか、私には判断できなかった。
でもいちいち考えていてもキリがない。
とりあえず誘われたから行く。
それだけだった。
なんだか自分に言い聞かせているだけのような気もするけれど。
映画館に着くと、すでに松崎くんが入口で待っていてくれた。
彼は私が来たことに気がつくと、笑みを浮かべて小さく手を振ってきた。
「急に誘ってしまってすみません。来ていただいてありがとうございます」
「引きこもってたから、ちょうどよかったです」
そんな会話をしながら、なんの映画を見るか話し合った。