ふたりごと
「おはよう、遥」
そう言って笑いかけてくれた、大好きな人はもういない。
私は一人ぼっちなのだ。
夜も寂しくなるけれど、朝も寂しくなる。
ほんの少し期待をして目覚めるのに、やっぱり彼はいなくて。
私のバカな期待は、あの日からいつも空振りを続けていた。
たぶん、これからも。
私は体を起こして、ベッドから降りる。
ひんやりした床の冷たさが素足に伝わってくる。
ダイニングテーブルの上に、昨日私のもとへ届いた手紙が開かれたまま乗っていた。
鈍い動きでその手紙を手に取る。