ふたりごと

「気になるっていうか…知りたくない。だって知れば知るほど、私の欠点ばかり目につきそうで怖い」


これは、私の完全な本音だった。


和仁に対する気持ちと、和仁の好きな人への気持ち。


和仁は私と新しい彼女を、比較したりはしないだろう。


だけどもし、どこかで比較するようなことがあったとしたら、欠点ばかりの私は振られて当然だ。


それを実感するのが嫌だから、和仁の彼女のことは知りたくなかった。


「西山さんは、きっと今、自信をなくしてるんですね」


松崎くんはそう言って優しく微笑んだ。


彼には具体的な話をしていないはずなのに、なぜかすべて分かられているような気さえしてくる。


まるで年上みたい。
年下とは思えない。


こんなときにそんなことを思った。