ふたりごと


多恵とは駅のホームでバイバイし、それぞれの家路についた。


電車はやっぱり私の苦手な満員の帰宅ラッシュで、バッグを抱えてなるべく動かないようにして耐えた。


同じリズムで揺れる電車のなかで、また頭痛がした。


ズキン、ズキン。


電車の揺れるリズムと、少しだけ似ているような気がした。


食欲もないし、今日は帰ったらすぐにベッドに入ろう。


ベッドに入ったとしてもどうせ眠れないだろうけど、テレビを見る気も起きないし誰かと話す気もしなかった。


━━━いつまでこんな日が続くのかな。


不安で仕方ない。


こんな形ばかりの生活を繰り返して、何がしたいのかも分からない。


もちろん恋愛なんて当分するつもりはなかった。












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