運命の人〜先生と私の10年間〜
「あのね…」


私は思いっきり唾を飲み込んだ。


「寺門先生と付き合ってる噂は嘘なんだよねっ?今苦手って言ってたし」


「その噂は嘘だよ。本人の俺が言ってるんだよ。信じてよ」


胸に突っかかったものが一気に取れた気がした。

「なんか言われたのか?」


えっ………



私は下をむいて黙った。


「言えよ!ここ最近お前変だったもんな」



「あのね……言いにくいからやっぱり無理だよ」



私は首を左右に振った。



「言えよ!言わなきゃわからないだろ?」



「悪口みたいでやだよ…ごめんなさい…」



泣きながらそう言ったらこまっちもため息をついて
「わかったよ」


無言になりこのまま時間だけが過ぎていった
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