運命の人〜先生と私の10年間〜
窓から差し込んでくる夕日が私たちを照らしている。


「お前は逃げることないんだよ。」

こまっちは聞こえるか聞こえないかわからない声でそう言った。



「寺門先生の言った事は気にするな!俺は迷惑とも思ってないし、困ってない。だから、逃げる必要なんてないんだよ。」



こまっちの言葉はどこも迷いがなかった。



「わかったか」


こまっちは私に近づき、そっと抱きしめてくれた。


「うっうっ…うっ…」


私は声を殺すように泣いた。こまっちの胸の中でずっと泣いた。


わたしが何も言わなくても、ずっと抱きしめてくれていた。
その手がとっても温かかったことにわたしは幸せだった。



だだ…それだけで一気に不安は飛んでいった



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