運命の人〜先生と私の10年間〜

次の日の放課後、音楽室でいつものようにテニスコートに目をやりながらぽーっとこまっちを見つめていた


はぁ………


ため息しかでなかった


私何をやりたいんだろう…先生になってどうしたいのかなぁ…


こまっちにただ近づきたくて…ただそれだけの理由で進路を決めた私はとっても悲しくなってきた


卒業なんてしたくない！ずっとここにいたい。こまっちのそばにいたいのに…



頭の中で何度も何度も繰り返した。


そのとき
｢椿！譜面のコピーしてくるね｣


雅が譜面を片手に掲げて言った。


ふっと振り返り
｢わ…わたしが行く！｣


雅の元に急いで行き、譜面をとって｢ごめん、行かせて！｣


雅の耳元でこっそり言った。


雅はそんな椿をみて一息吐いて
｢よーし頼んだ｣

わたしの背中をﾎﾟﾝと叩いた。

｢ありがとー！行ってくるねっ｣


私は走って雅に叫んだ。