運命の人〜先生と私の10年間〜
「あたし先生になろうと思って…でも学校の先生だと大学でしょ。今から大学受験は厳しいし、何の先生になるかで悩んでるんだぁ」


下を向きながら早口で私は言った。


「先生になりたいのか?いいじゃないか!!がんばれよ。」


嬉しそうにこまっちは言った。


「でも、何の先生になるかで悩んでるの…」



「好きなことをやればいいんじゃない?嫌いなことだったら教えられないよ。俺だってテニスが好きだから教えられるんだし。お前の好きなことはなんだ?」



私の好きなこと…?



「音楽と運動かなぁ」


「そっから音楽では何が好きとか、運動ならどんな種目かとかいろいろ悩んでもいいんじゃない。」


こまっちは私の不安を一気にぶっ飛ばしてくれた

そっか…好きなことから考えて行けばいいんだ



「わかった…ありがとう。もうちょっと考えてみる。」


元気が出た私にこまっちは笑顔で答えた。


「また何かあれば聞いてやるから」


その言葉はとっても椿の心に響いた。一緒に悩んでくれる人がいる…幸せ…


「ありがとう」


やっぱり私が好きになった人だ。


尊敬も信頼もできる。
ありがとうこまっち。
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