年下の悪魔
違う違うって頭で何回叫んだところで


無駄になるだけ。

どんだけ正論並べたって強がったって、自分の気持ちだけはごまかせないって…

元彼にフラれた時、嫌って程知ったじゃない。

どれだけ強がって、頭の中で「あんな奴」って罵っても本当は好きで好きで仕方なかった。


涼君には、完全に嫌われてるような気もするけど…

「ゆいちゃん?あの天津飯、通ったよ」


涼君に嫌われてない、そうわかった時、ホッとしたのも事実。

私は涼君が…。

認めてしまえば楽になるんだろうか?

だって、仕事が手に着かなくなっちゃった。

「恋をしたら苦しい」ってよく聞くけど、私がこんなに苦しいのは

恋してるから?


「あの、ゆいちゃん、天津飯…」

「あー、はいっ!ごめんなさい!」

ヤバッ…本当にヤバいって私。

私、やっぱり涼君が…、嘘でしょぉ…。



お蔭様で1番得意な天津飯の玉子を思いっ切り焦がしてしまった。

しかも、卵割るとき、1個落として無駄にしちゃったし。

それもこれもあれもどれも、全部涼君のせいだ!と、その場にいもしない誰かに八つ当たり。

涼君と会ったのは、夜景を見に行ったのが最後で、あれから一週間。



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