年下の悪魔
「『大嫌い』なんて、ただの強がりだよ。
絶対そうっ!
そもそも本当に大嫌いなら、いくら男が愛情がなくてもセックス出来る生き物でも
心底大嫌いな女なら抱いたりしないし心配もしない。
ましてやお見舞いなんて絶対来ない」

「で、でも…。私、いっつも意地悪されてるし…。こないだだって元彼の話した途端に…」

「やっぱり鈍感だ。それってただのヤキモチじゃん!普通気づくでしょ?」


ヤキモチ?

ヤキモチッ!?


あの涼君がヤキモチッ!?


でも、最後に会った時、あまりの恐怖で涼君が何で怒ったのかわからなかったけど

確か、私が元彼の話をしてた時に急に…。






嘘、嘘だぁ。


「昨日も電話で怒鳴られたんでしょ?大事な女が倒れて入院したなんて知ったら、冷静でいられる男なんていないよ?」


私の事が…大事?


私、涼君に嫌われてないのかな…?

ちょっとぐらい大事って思ってくれてるのかな?


「そう考えたら心辺りあるんじゃね?」



心辺り…?

ダメだ…、だんだん恥ずかしくなって来て

思い出せそうにない…。

「思い出しただけで真っ赤だねぇ。でも、ハッキリ告白しちゃった方がスッキリするよ。もしフラれても傷ついても、胃炎より痛くないと思うよ」



胃炎より痛くない。

本当にそうなのかな?


この痛みも尋常じゃなかったんだけど…。




でも、私

まだ涼君を好きでいていいんだ。


まだ諦めなくていいんだ。
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