年下の悪魔
部屋に戻った後は、大嫌いな注射も薄味の食事も苦じゃなくなった。

いや…これはこれで美味しいかも。

晩御飯を食べながら、ぼんやり外の景色を眺めた。

雨降りそうだなぁ。

そっか、もう梅雨入りしたんだ。

もう7月だなぁ。

あれ?まだだっけ?

最近日にちの感覚がない。


食事の後はいつもの一服。

タバコついでに携帯も持って行こう。

涼君に電話しよう。


何だか、今日は気分がいいんだ。












昨日と同じ場所で、タバコを片手に携帯と睨めっこ。

かけるのはいいけど、何話そう。

時間は昨日と同じぐらいで、18:38。

今日は日曜日だし涼君は暇してるかも知れない。

メールの時もそうだけど、私って小心者の上に緊張しやすいなぁ。

えーい、出たら出た時だ!

かけちゃえ!


通話ボタンを押した。

呼び出し音と比例するように私の心臓もドキドキし『―――はい。』


ワンコールで出たよ…


「うわっ、あの、もしもし!」

『おう。つーか、どうしたの?お前から電話なんて』

「えっと…その…」

心の準備をする前に出たから、何話すかなんか決めてなかった。

『お前、まさかタバコ吸いに外出てるんじゃ…』

「あ、うん。よくわかったね」

『バカか、お前はっ!!』

うー、怒鳴られちった…
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