年下の悪魔
夜勤とか早朝起きとかばっかりだから疲れてるんだ。

よく聞いたら寝起きっぽい声。

いつもより声低い。

涼君の声を聞いた瞬間、あまりの嬉しさに歩く力も抜けてしまった。

家を少し通り過ぎ、小さな公園のベンチに腰かけた。

幸せ過ぎて…何だか散歩したい気分になった。

汗や暑さなんて気にならないよ。




「こんな時間に昼寝なんて…生活リズム、乱れてるじゃん」

『まぁな。あ、そうだ。聞こうと思ってたんだけど、お前明日空いてる?』


いきなり何よ。

「明日空いてる?」、そのたった一言で心臓が跳ねた。

「あ、空いてる…よ」

ひゃあ、声裏返った。

明らかに、私動揺してる。


『早起き出来るか?』

「え?いや、別に…しようと思えば…」



早起き?

何?健康の為にラジオ体操のお誘いとか?

『朝の5時に迎えに行くから、準備しとけ』



えっ!?

5時!?



「ちょ、ちょっと待って!何でそんな早朝なの?どっか行くの?」

もう夜遅いのに、閑静な住宅街のど真ん中の公園で、しかも大声出しちゃったじゃない。


いくら早起きっていっても限度ってものが…っ!
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