年下の悪魔
体にはくっきり水着の跡が。


湯舟に入ると、やはり背中や足がヒリヒリする。

うぁぁ…超痛い。

体洗えないよぉ。

結局、温めのシャワーで何とか体は洗えた。



お風呂から出た私は、待ち構えていたかのようにお父さんとお母さんに怒られてしまった。

朝早く、階段を下り玄関を出て行く私の足音を、お父さんが聞いてたらしく

やっぱり、いくら放任主義と言えど心配してたみたい。

お父さんこそよくそんな早朝に起きてたもんだ。


部屋に戻った私は勢いよくベットに倒れ込んだ…が、痛くて思わず声が出そうになった。

うぅ、全身日焼けで痛い。



でも、今日はいろいろ進歩があった。

涼君のいろんな面を見ちゃった。

涼君のバッティング姿も見たし

泳ぐ姿も見たし


いろんな涼君を見れた。

それだけでも凄い進歩だ。


と、同時に私は思い出した。





私にはやらなきゃいけない事があるんだ。



もう振り向かないって決めたから

もう過去にはしがみつかないって決めたから


だから…。





携帯を握り履歴を辿った。










耳に受話器を当てると聞き慣れた呼び出し音が聞こえる。

大丈夫、もう恐くない。




『はい、もしもし』




もう振り向かない。




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