年下の悪魔
「まぁ、俺は今欲しい車があるんで、その事を考えれば苦じゃないです。一応夢なんで」

ふーん、そんなもんかな?

私にはこれと言った夢はないから、ある意味うらやましい。

「ゆいさんは何か夢とかないんですか?」

「私の夢ねー…」

今考えてみたけど、あんまりないなぁ。

強いて言うなら、元彼と家庭を持ちたかったかなぁ。

「明るい家庭を作ること」

「えぇ?意外に平凡ですね」

「別にいいじゃん。だって私の将来の夢はお嫁さんだもん」

「…ふーん。」

それだけ言うと、乾き切った喉にゴクゴクとコーラを流し込んだ。



ふぅ。

さて、喉の渇きも潤ったし、シャワーでも浴びよっかな。

ぼんやりしながら、まだ疼く腰を持ち上げベッドから体を離そうとすると



グイッ!



「きゃぁぁっ!」

不意打ち。

腰に力も入れられず、いきなり私の体はベッドに引き戻された。

「なぁにすんのよ…」

不思議な顔をしてた私の体を覗き混みながら、にっこり微笑まれてしまった。


「第2ラウンド」


「え?だって涼君、ついさっき…」

「若さですよ。回復は早いんです」



































翌朝―――――。

腰の痛みと、いつもとは違う枕の感覚で目が覚めた。

隣には、昨日散々私で遊んだ涼君が寝てる。

寝顔だけ見てたら普通の可愛気のある年下君なんだけどね。





この可愛い顔の裏の狼を私は知ってしまったんだろう。




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