年下の悪魔
誰も知らない。
誰にも言えない、こんな関係。
店長も店のママも思うまい。
私とこの子が、昨夜愛もないのに体を重ねたなんて―。
とんでもなく最低な事をしたなんて―。
誰も知らないし、想像もつかない。
私だってまだ、夢なんじゃないかと思ってるけど
この意地の悪い笑顔と腰の疼きで
現実なんだなと実感する。
それから何度か涼君と体を重ねた。
車の中やラブホテル。
決まって週末、金曜日の夜中に。
涼君は毎回毎回ちゃんとゴムを着けてくれた。
セフレを欲しがるぐらいだから、もっと自分勝手なセックスをするのかと思ってたのに、違うんだ。
まだ寒い季節、車内で体温が上がれば室内温度はちょうどよかった。
2人で
「これ夏場はきついよね~」
なんて言って笑ったり。
涼君との関係はセックスだけじゃなかった。
カラオケに行ったりした。
カラオケが終わったら決まってセックスはしてた。
涼君の言う通り、体だけの関係は楽だ。
まだ元彼が去った淋しさは無くならない。
でも1人ではいたくない。
そんな時は涼君にメールしたりした。
本当、都合のいい関係。
後腐れなく、嫉妬や束縛もない。
けど、1人になる事もないんだから。
意外にもアッサリと割り切れてる自分にびっくりだけど
セフレという関係を気に入ったのはどうやら私の方だ。