年下の悪魔


5月に突入した。

5月と言えばGW。

予想はしてたけど…私のシフトは鬼みたいな状況。

お店もかなり忙しい。

人件費の削減か知らないけど、絶対バイト増やした方がいいような気がする。



前にも言ったように、うちのお店は厨房担当やホール担当なんて決まりはない。


だから


「ゆいちゃん4番テーブルに生1つね!」

「はいっ!」

「ゆいちゃん、ロース追加だって!」

「はいっ!」



体1つで中へ外へ、あっちへこっちへ状態。

正直辛いし、きつい。

年末年始ほどじゃないけど、かなりの混みよう。




「すっげ人混み。俺ホール苦手なんで、ゆいさん頼みますね」

「涼君のばか~」




多分、GWはお店が混み合うと見たのか、店長がGW中だけ涼君に助っ人を頼んでいた。


「べ~つに!厨房の中暑いし、お客さんと喋ってる方が楽しいもん!」

「俺は人と喋るのが苦手なんで」

「そんな感じ~(笑)あっはは!」


涼君と会うのも喋るのも久しぶりだな。

彼女も出来てなさそうだし、相変わらずブスッとしてるし(笑)


「それに厨房の中にいたら、涼君がセクハラするし~」

「あ~、ゆいさん敏感ですもんね」



お店の人に聞かれないように、カウンター越しの会話。

こんな会話聞かれたら一貫の終わりだ。


「へぇ。涼君とゆいちゃんって結構仲いいんだね」


私達の雰囲気を察して店長が話しかけて来た。

会話、聞かれたのかと思って、一瞬2人してビクッてなったけど。

「まぁ。年末年始に仲良しになりました~。お互いフラれたもの同士って感じです」




大丈夫、作り笑顔は得意。

涼君も一応笑顔でごまかした。








本当は、もっともっと秘密な関係なんですけどね。






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