年下の悪魔
「くすくす。そうなったら禁煙は2度と無理だ~ね~」

「はぁ~、ちくしょー…。なぁんか、ゆいさん面白そうですね」


あ、そうだ!
面白そうで思い出した!
涼君にあの事言っとかなきゃ!



「あのね、涼君」

「はい?」















「こないだ、5月に入る前かな?夜中に元彼から電話があった」














『もしもし?久しぶり!元気にしてたか?てか、誰だかわかってる?』

「あ、うん!久しぶり。わかるよ!当たり前じゃん!急にどうしたの?」


電話の内容は、夏頃、海に行こうというお誘いだった。

もちろん2人っ切りじゃなくて元彼の友達カップルとWデートのような形でだ。

好きで好きで仕方なくて

毎日のように夢に見た。

そんな元彼からのお誘い。

断る理由なんてどこにもない。

Wデートだろうが、元彼に会えるんだから。

誰がいようが、どんな場所だろうが。

受話器越し、元彼の声で誘われた時、世界で1番幸せな気分だった。










「元彼に会える!嬉しい!ヨリ戻せるかな!」

「元彼って、こないだ言ってた4つ年上の童顔の…?」

「そうだよ?その人以外いないじゃん!だから、もし復縁ってなったら涼君との関係は終わりだからそのつもりでいてね」


っていうか、普通元彼から連絡があってお誘いがあった時点で終わらせればいいのに


まだ1人になるのが怖い。


夏まで涼君を引っ張るつもりでいた。

私は涼君の優しさに甘え、セフレの意味を完璧に履き違えていたのだ。

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