年下の悪魔
私の頭の中は、元彼とのデートでいっぱいだった。

海だからやっぱり水着だよね。

ビキニ買いに行こうかな!

その前にダイエットしなきゃ!

やけ食いして太ったんだよね。

あ、日帰りかな?それとも泊まり?



そんな事が頭の中をグルグル駆け巡っている中、いきなり頬っぺたに何かが当たった。


「いたっ」

布団の上に落ちたそれを見ると、コンドームが2つ。

「何これ?」

涼君の方を見ると、不機嫌そうな顔でこっちを見てる。

「どうせ海岸でヤるんでしょ!プレゼントですよ!2個差し上げますから2回どうぞ!!」



え…?
何か…怒ってる?



元々あんまり笑わない子だけど、これは明らかに不機嫌な雰囲気。

「な、何怒ってるの?ヤるとかそんなんじゃ…。に、2回も…」



ダメだ。
顔がニヤける…。




元彼も強引なとこあったから。

でも、あの声で耳元で恥ずかしい台詞を言われると拒絶出来なくて、いつも…

何か、勿体なくて思い出したくないよ。




布団に丸まり淫らな思い出に浸る私の体の上に、ズシンとしたモノが乗っかかった。

いきなりの圧力に布団から顔を出すと、私の上に涼君が覆い被さっていた。


「んだよ!!元彼元彼って!!」

「何でそんな…きゃああぁっ!」

布団を剥ぎ取られ、無理矢理ベルトのバックルも剥がれてしまった。

びっくりしたんじゃない。

する事はわかってるんだから、抵抗はなかった。

ただ、どうしてこんなに怒ってるのかわからなかった。

まるで、獰猛な野獣みたいに荒々しく衣類を取り去る姿が少し怖く感じたのだ。
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