年下の悪魔
無口で、無愛想で、でも女の扱い方は上手いなぁと思ってた矢先だったから余計に怖い。


「ちょっと待っ…て!あっ、イタッ、ああぁんっ!」



食べられてるみたい。

いつもの涼君じゃない。

痛い。

痛いはずなのに…。

怖いはずなのに…。

「あっ!あぁっ、イッ…」

いつもの優しい涼君からは考えられない激しい指と舌で、簡単に追い詰められてしまう。

さっきまで、元彼とのデートで頭がいっぱいだったのに

こんな愛してもない男に抱かれて、ヨガッて、喘いで、涎まで垂れ流してる私を知ったら、絶対元彼は呆れる。

「こんな女、元カノでも何でもない」って呆れるに決まってる。

それでも、涼君の手をなかなか離せない私は、ずるい女に成り下がったんだろう。

「さっさと足開け!」

「あぁっ!やっ、ああぁっ」






それとも、ただの変態に成り下がっただけ?
















行為が終わった後、仕事疲れと涼君の欲求を受け止めた私の体は、さすがに悲鳴を上げてた。

ベッドの上で動けない状態だ。

「うぅ~、また腰痛いじゃん…。何でそんなに怒ってるの?」

「そんなの俺が聞きたいです」

一瞬目が合ったと思ったら、顔ごとふいっと逆方向に反らした。


な、何コイツ!


元彼の話した途端に勝手にキレて、理由聞いたら丸投げするし…




ん?
もしかして、ヤキモチ?




ヤキモチ妬くって事は

じゃあ、まさか

涼君って私の事……

「まさか…涼君、私の事…」








「はぁっ?何バカな事言ってんスか?」

「…はは。だよね~(笑)あぁ、びっくりした」



って、ないか!

セフレ欲しがるような男の子だもん。

セフレに本気になる男なんているわけないよ。

バカみたいだよ、私。

多分あれだ。
大事な玩具を誰かに取られる、そんな子供みたいな感覚だ。

てか、そんな真顔で呆れなくていいじゃん…
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