年下の悪魔
一変したと言えば不思議な出来事も増えた。

GW中、涼君は仕事は休み。

だからって毎日お店に手伝いに来てるわけじゃなかった。

GWの前半はお店に来て、後半は本業の為に体を休ませる事にしているらしい。

涼君は私の仕事の合間を見て連絡をくれ、私も暇な日、暇な時間は涼君と会ってた。

涼君と会う日は、必ずと言っていいほど体を重ねてたのに

何もしない日が増えて来た。

カラオケをして解散。

ショッピングをして解散。

ドライブをして解散。


いくら体だけの関係とは言え、こう何もないんじゃ女として自信を無くしてしまう。

「今日はしないの?」

「たまには何もしない日があってもいいでしょ?」



お昼に会う事もあった。

その時、私は欲しいCDがあったのだが、あまりに古すぎて、どこのショップに行っても置いてなかったのだ。

取り寄せてもらうしかないなと思ってた矢先、そのCDを探しに、何件も中古販売店を回ってくれた。

「そんなに古いなら中古販売店から探した方がいいですよ」


初めて一緒に、お店以外でお昼ご飯を食べた。

そんな時は、楽しく弾んだ会話が出来る。


私って本当、最低な女だな。
涼君の優しさにすっかり甘えてる。


けど、涼君を見る度記憶がフラッシュバックする。

あの体に抑え付けられたんだって…。


正直、行為自体は好きでも嫌いでもないけど、あんな事教えといて何もなしなんて…、ある意味酷いよ。


生殺しじゃない。





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