年下の悪魔





あれから3日が過ぎた。

毎日毎日、自己嫌悪で溜め息が出る。





あの後、涼君は黙って私をいつもの自販機まで送ってくれた。

車から降りる時、「バイバイ」じゃなく「さようなら」って言ったような気がしたけど覚えてない。

自販機前で降りた瞬間、ここで涼君を待つ事も、解散する事ももうないんだと思った。


これでよかったんだよね…?

淋しいのは、少し情が移っただけ。

すぐに無くなる。


「どったのゆいちゃん?ボーッとしちゃって」

「あ、いえ…」

話し掛けて来たのは店長だ。

そりゃ、窓から外の景色を見ながらボーッとしてりゃそう思うよね…。

「GWが明けて急に暇になったもんね~」

「皆さん、お仕事で忙しいんでしょうね」

「そー言えば、涼君とはどうなったの?」



ドキッ

今、1番聞きたくない名前だ。



「GW、手伝いに来てもらってお礼も言ってなかったから。GW分のお給料渡したいから、またいつでも取りに来てって伝えててもらえるかな?」


伝えててって…。

あれから3日、涼君とは全然メールやり取りとかしてないなぁ。

てか、気まずくてメールのやり取りなんかしてないよ。


「あ…」

「あれ?ゆいちゃんと涼君、仲良く喋ってなかった?」






「わ、わかりました、伝えときます!」


何か言わなきゃ変に思われちゃう。

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