年下の悪魔
あーもう、嫌味タラッタラ!

確かにあんたをフッた理由は納得行かなかったかも知れないけど引きずり過ぎじゃない!?

それとも、これが普通なの?

だとしたら相当タチ悪いわよ!

いつの間にか、さっさと帰りたいって気になったのか、ラーメンを食べる速度が速まった。

こんな奴と会話したいなんて思った私が馬鹿だった。


「俺今、彼女っていうかセフレが欲しいです」


「…は?」

何をおっしゃってるの、この子。

言うに事欠いて、セフレ?


「恋人って、何か邪魔臭いし、都合良く割り切れる関係の女が欲しいです」


な、な、な、何言ってんのこいつ…


「どう思います?」


何でそんな目で見るかな…







もしかして誘ってる?








でも、確かに恋人なんて煩わしい。

嫉妬や別れや劣等感。

体力も精神も消耗する。

恋はしたくないけど、1人でいるのも嫌だ。

最悪な形でフッた男と最低な関係になるの?










「私でよければ…」












「ふふ、決まりですね。じゃぁ、とりあえずアドレス交換しましょうか?」



まだ寒い1月のこと。


失恋のショックで的確な判断が出来なかった私は

やっと笑った年下のこいつの罠にハマった気がする。

憂鬱な頭を洗脳された気がした。


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