年下の悪魔
「そんな事言ってるんじゃない!私、嫌だって…」

「そんな事が許されるとでも?」





パンッ!

乾いた音が響いた、と同時に私の右手の手の平がじんじんする。

産まれて初めて、本気で男の人をビンタした。

ビンタ出来る程、私はマトモな人間じゃないけど

こいつがやった事は…っ

「最低っ!大嫌い!2度と顔見たくない!もう帰る!」

衣類を正そうとしたが、足に引っ掛かったままの下着はあっさり涼君の手に渡った。

「やっ、やだっ!返してっ!きゃぁっ」


スカートも取り去られてしまった。

「帰れるもんならどうぞ。その格好で帰れたらの話ですけど」


下は何も着てない状態。

「やっ!」

慌てて足を閉じ、隠そうとしたがもう遅い。

「いや、もう全部知ってますよ」

言葉に詰まる。



助手席にある鞄の中に携帯が入ってる。
それに手を伸ばそうか、と考えるていると

まるで見透かしたかのように涼君が体を寄せて来た。

「やっ、何よ…。」

恐くて動けない。

これじゃ携帯も取れない。

まだ何かする気?


恐くて震える体。

思わず顔を背けると



カシャッ




え?
何、今の音…




「案外、暗くてもちゃんと撮れるんもんだな」


撮れる、って…

今の

シャッターの音!?


「な…に考えて…」

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