年下の悪魔

お風呂から上がった瞬間、洗面台の鏡に映った自分の姿。



情けない顔だね。















次の日の朝…、布団から出たくない。

仕事なんか行きたくない。

でも、仕事しなきゃ。


起き上がろうと体を起こした瞬間、足の付け値が痛い。


いた…、筋肉痛?


そっか、昨日散々足で抵抗したし、ずっと力入れてたから。



『いやああぁぁぁぁっ!』



思い出しちゃだめ!
仕事行かなきゃ。
別に立てない程の痛みじゃない。
早く起きないと遅刻する。


洗顔して、歯磨いて、着替えて化粧して髪の毛も束ねて…。


何もなかった、何もなかったんだよ!






店に付き開店業務に取り掛かった。

店先に水を撒いて、食材の準備や仕込み、昨夜やり損ねた掃除もしなきゃ。

おしぼりも補充して、それから…



それから



それからっ!!





「ゆいちゃん、どうしたの?気分でも悪いの?」




気づくと私は、ほうきを持ったまま佇んでいた。

後ろから店長の心配そうな声がした。


「あ…別に何でも…」

「そう?風邪でもひいたんじゃない?季節の変わり目は風邪ひきやすいから」


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