大好きな君
次の日
仄は結城の家に行った。
「ゆーきくーん!!昨日はどうして帰っちゃったのー?」
仄は自分の部屋の窓から、ちょうど目の前にある結城の部屋に向かって叫んだ。
「……」
「あれー??結城くんまだ寝てるのかなぁ」
「……」
「ゆーきくーん!」
「……ごめんねっ!僕のせいで怪我しちゃって、血が出ちゃって!!どうしたらいいか、わかんなくって!」
「大丈夫だょ!ママが治してくれたから。ねー、結城くん?」
「なに?」
「……遊ぼっ!」
結城は部屋のカーテンを開けて、仄を見た。
仄はいつも通りの満面の笑顔。
「それにね、転んだのは私が勝手につまづいちゃっただけなんだよ?だから、結城くんのせいじゃないからね!」
「……うん!……遊ぼっ!」
結城は満面の笑顔を返した。
そして、その日からも2人はずっと一緒。
でも、結城が仄にキスをしようとした事は誰にも言ってない結城だけの秘密事になった。