大好きな君
今は冬。
そして明日はバレンタインデーだった。
結城は明日どうなるか予想がついていた。
仄は一生懸命チョコレートを作っている。
もちろん冬麻に渡すためだ。
仄が自分の気持ちを伝えてしまえば、冬麻がなんて答えるかなんて、すぐに予想がつく。
「結城!チョコ作り手伝って!」
「……あぁ。冬麻にあげるんだろ?」
「うん!あたし頑張るから!」
結城は優しく微笑んだ。
その笑顔の裏は涙に濡れていたが、仄はもちろん気付くことはない。