大好きな君
学校では、休み時間の度に女子が男子を呼び出していた。
仄は放課後に言うらしい。
「結城!あのさ……放課後、冬麻くんに体育館裏に来てって伝えてくれないかな?」
仄は涙目で懇願した。
こいつはいつも、そうやって俺を困らせる。
でも、無理なんて言えない。
「わかった。冬麻に言っとくから。」
「ありがとーっ!やっぱ結城好きだー」
その言葉に一瞬ドキッとする。
もちろん深い意味がないのも知っている。