大好きな君
「今日は佐々木さん休みね。じゃあ、神谷くん手紙届けてあげてくれる?」
ある日の帰りの会で担任は言った。
その日仄は高熱を出して学校を休んでいたのだ。
「今日は塾なんで、時間がありません」
ザワッ
「あの言い方なんなんだろうね……」
「結城って6年生になってから変わったよな」
俺の言い方に教室がざわめいた。
「そっか、ごめんね神谷くん。じゃあ、持っていってくれる人ー?」
「はい!俺持ってくよ」
手を挙げたのはもちろん冬麻だった。
仄と冬麻はクラス公認の中だから、堂々とこんな事をしたって誰も冷やかすなんてしない。