大好きな君
「ほ……仄ちゃーん!来たよーっ!」
夕飯を食べ終えた頃、結城は仄の家を向かった。
向かうと言っても、家は隣同士だから30秒もかからない。
大きくなれば、窓を蔦って行き来出来そうなぐらいだった。
「うん!おいでー」
仄は結城を家に呼び入れりため、玄関を開けた。
(今だ!!!)
結城は仄にキスをしようと迫った。
「わっ」 「きゃぁっ」
結城が仄にキスをしようとした衝撃で仄は靴に足を引っかけ転んでしまった。
ごんっ
痛々しい音が仄の家に響いた。
「仄?!」
その音に仄のお母さんがリビングから出てきた。
「ぁ……ご、ごめんなさいっ!!」
結城は仄の家を飛び出した。
自分が迫ったから仄が転んだのかと思ったのだ。
仄は玄関の段差に頭をぶつけ出血していた。