ゴリラな彼氏とゴージャスな彼女
「遅くなりました。」


ファンに囲まれてた佐々木先輩が帰ってきた。


「これ、みんなで食べて下さい。」


ファンからわたされた、今日のプレゼントを部室の真ん中のテーブルにドサっと置く。


そこには、ジュースやお菓子や、手作りのレモンの砂糖づけなど、部活終わりのお腹をすかした男子にはうれしいものばかり。


人のプレゼントをもらうなんて、男として情けないけど、佐々木先輩だとなんだか自然な感じになる。


嫌みがないって言うのかな。


ファンの女の子たちにも、
「ありがとう。
バスケ部みんなでいただくね。」

と、バスケ部で食べるの了解済みだから、僕たちが横取りして食べてるような、悪い気持ちを持たないようにしてくれてるし、ファンの女の子たちもそれを分かってるから、お菓子やパンなどのプレゼントが多い。


プレゼントされてるのを自慢するわけでもなく、自然体。


モテる男の余裕なのだろうか?


僕には一生わかんないだろうな。


もし、僕なら、僕を好きになってくれた子を、すごく大切にしたいし、もらったなら、菓子パン一個だって人にあげたくない。


きっと食べられなくて、部屋に飾りそう。


うーん、でも、それはカビるし、腐るか。
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