再恋─天使になった君へ─
病院へ着くと
いつものように名前を呼ばれ
診察室に入っていく。
『体の調子はどう?最近変わった事はないかな?』
『いえ、特にないです。』
このやり取りも
生まれてから何回目だろうか。
一週間に一回
私はこうして病院に通っている。
それも物心ついたときにはすでに…。
『ありがとうございました。』
私なりの笑顔で
いつものようにお礼を言い、
いつものように診察が終わり病院を後にする。
病院って不思議な場所だ。
病気、事故、
どんな理由にせよ人が死ぬ事は生まれた時から決まっている。
死ぬ時期も理由も──。
病院はまるで
"生きたい"と欲張っている人達が集まっているかのようだ。
人は運命には逆らえない
定められた以上に生きようとするのは
欲張りではないだろうか。
少なくとも私は
そう思っていた──。