火の雨が降った後
それから1ヶ月くらいたち、状況は一変した。
それまでは、戦時下であっても戦争なんて遠い国でおこっていること、どこか他人事のような気がしていた。
1度空襲はあったが、食糧に困ったこともなかったし、ほのぼのと楽しく生きていた。
が、サイパン失陥をしてからは急速に周りの雰囲気が変わっていった。
これが戦争なんだ。
そう実感してはいたけれど、やっぱり郡ちゃんと暮らすことが楽しくて幸せで、2人でいると忘れてしまう。
そんな戦時下だと言うことを実感したり忘れかけたり、郡ちゃんと幸せな毎日を過ごしていた冬の晩。
ドンドン ドンドン
眠りについていた時、玄関の戸が激しく鳴った。
「んー…郡ちゃん…誰か来たかな…?」
目をこすりながら体を起こすと、郡ちゃんも起き上がった。
そして、何かに勘ずいたように一瞬眉を上げ、顔を強ばらせる。
…?
その表情のまま、ドンドンと鳴り響く玄関に向かって行くので、私は郡ちゃんの背中を見つめながらついていった。
それまでは、戦時下であっても戦争なんて遠い国でおこっていること、どこか他人事のような気がしていた。
1度空襲はあったが、食糧に困ったこともなかったし、ほのぼのと楽しく生きていた。
が、サイパン失陥をしてからは急速に周りの雰囲気が変わっていった。
これが戦争なんだ。
そう実感してはいたけれど、やっぱり郡ちゃんと暮らすことが楽しくて幸せで、2人でいると忘れてしまう。
そんな戦時下だと言うことを実感したり忘れかけたり、郡ちゃんと幸せな毎日を過ごしていた冬の晩。
ドンドン ドンドン
眠りについていた時、玄関の戸が激しく鳴った。
「んー…郡ちゃん…誰か来たかな…?」
目をこすりながら体を起こすと、郡ちゃんも起き上がった。
そして、何かに勘ずいたように一瞬眉を上げ、顔を強ばらせる。
…?
その表情のまま、ドンドンと鳴り響く玄関に向かって行くので、私は郡ちゃんの背中を見つめながらついていった。