【完】7 Days ー先生と甘い日々ー
第9章 涙の最終日
――ジュー
キッチンにいるのに、フライパンで焼く音が遠くに聞こえる。
今日はハンバーグ。
本当は、作る気力なんてない。
だけど先生に不審に思われないように、普通にしなきゃと作ったハンバーグ。
「ただいま。」
「ぎゃっ!」
ドアが開く音も聞こえなかったあたし。先生の声がいきなり聞こえて、びっくりする。
「なんだよ。」
クスクス笑って、ビシッと着ているスーツの上着を脱いでネクタイを片手でぐいぐい引っ張って緩めた。
そんな姿でドキドキと鳴る心臓。
もうドキドキなんてしちゃダメなんだよ、と自分に言い聞かせる。