【完】7 Days ー先生と甘い日々ー
「席着けよー。」
先生が入ってきた。その声だけで激しく動く心臓。
ぎゅっと目をつぶって、「落ち着け」って何度も心の中で言う。
「3日後には、遠足があるけど、あくまで息抜きだからはしゃぎすぎないように。まぁでも、高校最後の年なんだから楽しめよ。」
いつも必要事項しか言わない先生が「楽しめよ」って言った。
みんなきっと驚いている。だって先生、超冷血教師だもん。
そんなみんなの反応も届いてないみたいで、いつものように教室を出て行った。
「なんか今日優しいっていうか、変じゃなかった、先生?」
なんて、先生が出て行ってから言われていた。
「飯島さん、遠足いっしょに行動しない?」
「え?」
パッと顔を上げると、その人は慌てて目線をあたしから机に向けた。
「あ、いや、…みんなでだよ。」
って笑うその人を見て、なんだか可愛くて笑えた。
安藤 たけし
あたしの左前に座るその人は、少し茶色い髪は地毛みたいで、短め。
多分モテる部類に入る人だ。