破壊都市
「…うわぁ~すご~い!!」
「……まだ建設中だけど、社長に特別許可もらったんだ!…誰よりも早くお前にこの景色を見せてやりたかったんだ…!」
高さ888メートルから一望できる夜景はダイヤモンドの輝きより美しく見えた。
「今後はこのタワーが街のシンボルになる!…だから俺は最後までこの建設に携わるんだ…!」
拳をさらにギュッと強く握ると、ふとサエコの顔が目に入った。
つぶらな瞳でこちらを見ながら一言…
「………うん!」
この一言に様々な意味を含めたのだろう。
サエコは満遍な笑みを見せた。
「……それにしてもこんな景色初めて!……360度ぜ~んぶ夜景…!……素敵…!」
サエコは両腕を大きく開いてクルクル回りながら反対側の景色を見に行った。
そこに留まるとすぐ側にある双眼鏡を覗いた。
そしてゆっくりサエコの元へ向かいながらポケットに手を入れる…