破壊都市
「………ねぇねぇタカシ…ちょっとあれ見て…!」
サエコが双眼鏡を覗きながら手招きする。
「……あそこ一緒に初めてデートした遊園地…………!!」
その時、後ろから首回りを何かに抱擁されたような気がした。
「………タカシ…?」
タカシの両腕が優しくサエコを包み込んでいた。
「…………結婚しよう…」
そう言うとサエコの目の前に指輪を掲げた。
夜景より美しく見えた…
暗闇にも関わらず、夜景が放つ光りをすべて吸収してそのダイヤモンドは最高の光を放っている。
そして…頬に一滴の涙が浮かぶ…
「……うん…。」
暗闇の中、満天の星と都会の光が2人を包んだ…