破壊都市



「……キング!!」
「…キング!何てことを!」


頭を抱える者もいれば、怒る者もいた…



そしてこの女も……



「…キング!それはお止めください!!我々がそんなことをしたとなれば国中がたいへんなことになります!……いや、むしろそれを隙と見て海の先にある国が一気に私たちの街も破壊しにやってきます…!…それをお分かりですか…?!」
部屋で唯一の女である、男の秘書がなかなか見ない形相で訴えてきた。



いや…


初めて見る形相だ……




「……大丈夫だ…クイーン…。…我が国が街を破壊したのではなく、他国によるテロだと公開すれば住民は納得するだろう…。…それにすべては『アレ』で一瞬で終わらす…!他国に気づかれないように秘密裏に進めれば良い…!…どうせ海の遥か彼方だ…気づかないだろう…」


「……失礼ですが………『アレ』と申しますと…?」

細身の男が首を傾げる。



「……ジャックは知らなかったか……。……まぁ…いずれ分かるだろう…」
鼻で笑いながら言った。

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