破壊都市
「……はぁ…。」
不意に落ちない表情をするも男の前から一歩下がった。
「……ホントに実行に移す気ですか…?」
「……もちろんだ!……お前も不満か…?」
若い男の目を見る。
男が最も信頼を置いている人物だ。
身のこなしは常にクールかつ完璧……逸材とはこのことなのだろう…。
そんな彼が口を挟むのは珍しい…
「…お前がどう言ったとこで何も変わらんが、不満があるなら言ってみろ…」
「……いえ。………ただ…」
「…なんだ。」
若い男はそっぽを向いて言った……
「………私には…あなた様が何か楽しんでらっしゃるように伺えるのですが………」
男は不敵な笑みを浮かべる。
「………さぁな…。」
「……………。」
若い男は肩をすくめてその場から去ろうとした。
「……ただ…」
男の声に振り返る。