三階小児病棟(花子へのラブレター)
ナース花子
「まー君、お注射しますからね」
「嫌だ!花子下手くそだから」
「誰が“花子”よ! 私は“花菜(かな)”です!」
「お前みたいなブスは“花子”で十分だ!」
「言ったな!絶対許さない!注射思い切り痛くしてやるから覚悟しなさい!」
少々過激なやり取りですが、これが誠君5歳と私ナース山田花子…じゃなくて、山田花菜の朝の日課?です。
「まー君、明日お腹の中のばい菌採るからね。終わったらお家にかえれるからね!」
「花子がばい菌採ってくれるの?」
「私じゃなくてお医者さんだから、心配しなくても痛くしないから大丈夫!
「花子は、傍に居てくれるの?」
「明日はお休みだよ」
「そうなんだ。」
それっきりまー君は私と口を利いてくれませんでした。