マイ・スペース
3 腕まくら
「お邪魔しまーす」
いつ来ても変わらない部屋。
綺麗に並んでいる食器、廊下に干してあるTシャツ、そしてアロマのにおい。
カエデ、と呼ばれて振り返るとキスされた。
ギュッで抱きしめられて「やっと来てくれた」と言ってくれた。
ちょっと前の私なら照れてしまっていただろう。
だけど今の私はそんな安っぽい言葉じゃ、心は揺れないのだ。
ほんと、何様なんだか。それでも一応「会いたくなっちゃって」と言っといた。レナとマコが聞いたら爆笑しているだろう。
彼はその言葉に満足したのか、お風呂をすすめてきたので、私は到着早々シャワーを浴びた。